全日本プロレスは、ジャイアント馬場が元付き人たちを連れて旗揚げ。そしてジャンボ鶴田をスカウトしましたが、実は大木金太郎も合流の交渉があった、と証言したのは、『Gスピリッツ Vol.25』で久々に表舞台に登場。4万字のインタビューを行った佐藤昭雄氏の話です。昭和プロレスの新しい真実です。元ジャイアント馬場の付き人で行動を共にし、一時期は全日本プロレスのブッカーをつとめた佐藤昭雄氏ならではの説得力があります。



大木金太郎とジャイアント馬場の関係について振り返りましょう。

全日本プロレスの設立については、事実上ジャイアント馬場が日本テレビに引き抜かれる形で、日本テレビのバックアップのもとに設立しました。

その際、ジャイアント馬場の保持するインターナショナル選手権をどうするかということになり、ジャイアント馬場は、それを保持したまま退団しようと表明。

これは、JWC(日本プロレスリングコミッション)と喧嘩せず、むしろその傘下で旗揚げし、外人ルートなども使わせてもらいたいという意味がありましたが、大木金太郎が「自分と戦って勝ってから持っていけ」と言ったので、ジャイアント馬場は摩擦を避ける意味でベルトをおいて出て行きました。

この当時は、大木金太郎が日本プロレスを守るという強い意志でそう表明し、馬場が逃げたといわんばかりの報道もありました。

が、プロレスの勝負は、強弱ではなく、商業的、もしくは政治的意味合いがあることは今のファンならだれでもわかるでしょう。

佐藤昭雄氏の『Gスピリッツ Vol.25』によると、どうもその真実は、大木金太郎の新団体(全日本プロレス)参加の話し合いが不調に終わったことが原因らしいのです。

移動中の船に、馬場、轡田、佐藤、大木、戸口と5人になったとき、大木金太郎が、「これでメンバーが決まったじゃないですか」といい、馬場もまんざらでもなかったといいます。

これにはもうひとつ真実があり、ジャイアント馬場は、本当はサムソン・クツワダよりも戸口正徳の方を評価していたが、戸口正徳は大木金太郎の付き人であったため、手を出せなかったといいます。

その意味で、大木金太郎の合流は、戸口正徳もついてくるという読みがジャイアント馬場にはあったのだと思います。

大木金太郎としても、ジャイアント馬場がいなくなったら日本プロレスは終わる。そんな泥舟から抜けだして、日本テレビをバックに、ジャイアント馬場と両エースで頑張れる方がいい、と思ったのかもしれません。

大木金太郎といえば、かつては、グレート東郷の誘いで国際プロレスのリングに上がりかけたとも言われています。

プロレス史的には、最後まで日本プロレスを守ったように見られがちですが、まあそれは成り行きでたまたまそうなったのであって、大木金太郎自身は、ところどころで「浮気」していたわけです。

しかし、もしそれが実現していたら、全日本プロレスの歴史は変わっていたでしょう。

とりあえず大木金太郎というナンバー2がいて、戸口と轡田で大型タッグも組めます。

もしかしたらジャンボ鶴田のスカウトも、それほど必死には行われなかったかもしれません。

かりに入団していても、もっとアメリカ修行の期間が長くなり、鶴田はレスラーとしてもっと大きくなったかもしれません。

どうして交渉が不調に終わったのかわかりませんが、惜しいことをした、のかもしれません。




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その後、行動を共にしたのはマシオ駒、大熊元司、サムソン・クツワダ、佐藤昭雄、百田光雄らでした。

その後、日本プロレスが立ちゆかなくなり、力道山家預かりの身分で日本テレビと契約。

日本テレビの子会社である全日本プロレスのリングに上がりました。

ところが、生え抜きと、途中からの合流組にけじめをつけるマッチメークが気に入らなかったのか、上田馬之助と松岡巌鉄が離脱。そのすぐ後に大木金太郎も抜けました。

その後、大木金太郎は新日本プロレスのリングに上がり、何シリーズか戦いましたが、韓国に来ていた馬場に直談判して、対決する側として全日本プロレスに再合流。アジアヘビー級選手権をジャイアント馬場に取られましたが、インターナショナルタッグ選手権を、キム・ドクと2度奪取するなど少しだけ見せ場を作ってもらいました。

その後は国際プロレスのリングに半年上がりましたが、また離脱。

全日本プロレス10周年のシリーズにまた出戻り、その後は日本陣営で30分1本勝負をこなしましたが、いつのまにか来日しなくなり、そのまま引退しました。

それにしても昭和プロレス。奥が深いです。

Gスピリッツ Vol.25 (タツミムック)

Gスピリッツ Vol.25 (タツミムック)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 辰巳出版
  • 発売日: 2012/09/26
  • メディア: ムック

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