東京タワーズでインターナショナルタッグ選手権防衛

“ダラ幹”と聞いて、日本プロレスの幹部をイメージするのは、相当な昭和プロレス通ですね。坂口征二の連載をずっとご紹介していますが、今回は、いよいよジャイアント馬場が坂口に、日本プロレスをやめることを打ち明ける件が出てきます。(画像は『東京スポーツ』2009年11月11日付より)



日本プロレスにはいくつか派閥があり、坂口征二や高千穂明久らは、芳の里派だったといわれます。

その意味では、ジャイアント馬場やアントニオ猪木が抜けても、日本プロレスに残るのは当然だったのかもしれません。

しかし、それはイコール、会社に対して何の不満もなかったわけではないでしょう。

ジャイアント馬場、坂口征二の「東京タワーズ」は、ザ・ファンクスを破ってタイトルを奪還しました。

しかし、その直後にジャイアント馬場が日本プロレス退団を坂口征二に打ち明けます。

そして、坂口征二が、いわゆる“ダラ幹”について語っています。

この時点で私は、NWA認定UNヘビー級、アジアタッグ(パートナーは吉村道明)、インタータッグ(パートナーは馬場)と3冠王に君臨。前年12月に日本プロレスを去った猪木さんの保持していたベルトを、すべて巻くことになった。
 今後は馬場さんとの東京タワーズを、BI砲(馬場&猪木)に負けないタッグチームに成長させていくだけだ。
 仙台(5月19日)でボボ・ブラジル&ボビー・ダンカン組を相手にVl。札幌(7月5日)ではキラー・コワルスキー&ムース・ショーラック組を相手にV2成功。東京タワーズの未来は順風満帆なはずだった。
 ところが、V2に成功した夜のこと。珍しく「坂口、今晩メシでも食わんか?」と馬場さんから誘われた。場所は日プロ勢が宿泊していた札幌パークホテルだったことを覚えている。
 ホテル最上階のレストラン。馬場さんは「実は...オレも日プロを辞めることにした。今後のことはまだ分からない。ただオレは、日プロよりも日本テレビに恩義があるから」と言う。
 日プロ幹部の独断で、この年3月のワールドリーグ戦から、馬場さんの試合がNET(現テレビ朝日)中継で放送されていた。また昨年末、猪木さんが去った騒動で、選手会長の馬場さんも「途中までクーデターに加担していた」との罪を問われ選手会長を解任(後任は大木金太郎)。確かに居心地が悪そうではあった。
 猪木さんに続き、馬場さんまでが去れば、日プロはどうなるのか?
 入門から5年。リング上でこそ3冠王の私だったが、リングを下りれば、まだ若手に過ぎなかった。力道山時代を知る馬場さん、猪木さんの会社に対する不信感は相当に根強いモノがあった様子だ。
 テレビ中継は日本テレビとNETの2局が毎週放送。プロレスが国民的娯楽だった力道山時代ですら、日テレのみで隔週放送だったのだから、その放映権料は莫大だったはず。実際、私も会場で芳の里社長からファイトマネーを受け取る馬場さんや猪木さんの姿を、何度か目撃していたが、冗談抜きで封筒がタテに立つほどのブ厚さだったことを覚えている。
 馬場さんも猪木さんも、日プロ幹部の浪費癖を指摘していた。事実、幹部の方々は事務所の金庫から、ガバッと札束をワシづかみにして銀座や六本木に直行していた。私や小鹿さん、高千穂(明久=後のグレート・カブキ)、安達(勝治=後のミスター・ヒト)、永源(遙)らも、しばしば幹部の方々に同伴させていただいたものだ。

引用が長くなりましたが、貴重な証言のためそのまま使いました。

一説には、日本プロレスの崩壊は幹部の無駄遣いが原因ではなく、もっと黒い方面に流れた多額の使途不明金が会社の会計を蝕んだという向きもあります。

日本プロレスの元経理課長が、ユセフ・トルコの書籍で、そのことを明らかにしています。

ですから、倒産に対する影響はまた別にあるのかもしれませんが、少なくとも幹部に豪遊があったことは間違いないようです。

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ピアノの生演奏で歌う芳の里、会社の金で自家用の外車を買った遠藤幸吉、などという話はやはり本当だったのでしょうか。

もっとも、日本プロレスのレスラーが薄給で疲弊していたという話は聞かないし、会社の金を幹部が多めに使うというのは、一般的にはさしてめずらしい話ではないかもしれません。

ジャイアント馬場やアントニオ猪木は、「自分たちが食わせているのに」という思いがあるので、要するに自分たちに1円でも多い還元を望み、自分たちがその幹部になりたくて「会社乗っ取り」を企てたり、独立したりしたのでしょう。

いずれにしても、日本テレビは中継を打ち切り、ジャイアント馬場は日本プロレスをやめることになりました。

そして、ジャイアント馬場は坂口征二を誘い……


さて、日本プロレスをやめることになり、ジャイアント馬場とすれば、新団体旗揚げにあたって、一緒にやっていきたい選手に声をかける事になります。

7月29日、ついに馬場さんは会社に辞表提出。馬場さんは日本テレビと組んで、新団体を旗揚げするとの噂だった。
そんなある日、馬場さんから連絡があり、ホテルニューオータニ(千代田区紀尾井町)のスカイラウンジへと呼び出された。馬場さんは「坂口、オレは日本テレビと組んで、新しい団体を作ることにした」と言う。
 東京タワーズは結局、無敗のまま解散。V2達成後馬場さんの日プロ退団に伴い、至宝・インタータッグ王座は返上扱いとなっていた。
 まだ東京タワーズには続きがある。馬場さんに呼び出された時、私は馬場さんの新団体に誘われることを直感していた。ところがー

そう、ここから先こそが、プロレスファンが知りたいことです。

なぜ、坂口征二はジャイアント馬場ではなくアントニオ猪木を選んだのか。

ファンのだれが見ても、アントニオ猪木よりはジャイアント馬場のほうが合うでしょう。

その答えは次回です。ああ、楽しみです。

やっちゃるけん!―人間・坂口征二全仕事とプロレス史断章 (B.B.mook―スポーツシリーズ (301))

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  • 作者: 週刊プロレス
  • 出版社/メーカー: ベースボール・マガジン社
  • 発売日: 2004/05
  • メディア: ムック

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