プロレスラーの収入

プロレスラーの収入はいくらなのか。プロ野球に比べて、プロレスラーの収入が公にされる機会は少ないように思われます。『日本プロレス事件史 vol.18 会場・戦場・血闘場』(ベースボールマガジン社)における流智美氏の記事「実録 NWAの総本山」では、タイトル通り、“総本山”とされたセントルイスのキールオーディトリアムのある日の興行におけるギャラが紹介されています。


『日本プロレス事件史 vol.18 会場・戦場・血闘場』では、プロレスの重要な興行に使われた会場と試合を振り返っています。

その中の記事「実録 NWAの総本山」では、長くNWA会長を務めた、セントルイス・レスリング・クラブのサム・マソニック代表が、常打ち会場としたキールオーディトリアムについて書かれています。

キールオーディトリアムは「総本山」といわれてきましたが、その理由は、ファン・サービスを完璧に行うとともに、レスラーからもリスペクトされる、簡単にいえば、他のテリトリーでは期待できない高額のギャラが支払われることにあったといいます。

記事では、具体的なギャラ金額を、1980年3月の興行を例に紹介しています。

プロレスラーのギャラは、あまり公にされることがないので、おおよその数字すら見当がつかず、数字自体が新鮮な情報に感じました。

該当部分を引用します。

1980年3月28日(観衆1万781人=満員、税引き前グロス収入8万3216ドル)

20分1本勝負
エド・ウィスコスキー(297・0)対エディ・ギルバート(297・0)
ボブ・ブラウン (321・75)対ビル・ハワード (297・0)
30分1本勝負
パット・オコーナー(541・25)&ジョソン・ウェールズ(376・20)対バク・ソン(297・0)&ロン・マクファーレン 297・0)
ケン・パテラ(693・5)対トム・アンドリユース(321・75)
45分1本勝負
ディック・ザ・ブルーザー(592・25)対タカチホ(高千穂明久(=ザ・グレート・カブキ)、321・75)
ブルーザーこいフロディ (618・25)&ディック・マIドック(580・25)対ケビン・フォン・エリック(672・25)&ジェリー・オーッ(534・0)
NWA世界ヘビー級選手権(60分3本勝負)
ハーリー・レイス(3414・63)対リック・フレアー(3414・63)

キール・オーデトリアム使用料(2967・5)
レフェリー3名(各250・0)
サム・マソニック (NWA王者ブッキング手数料 650・0)

1980年ですから、著者は「1ドルの換算が220円」と指摘しています。

レスラーの名前が懐かしい人も含まれますね。

NWAチャンピオンで75万1218.6円。

ハーリー・レイスとリック・フレアーが同額というところが興味深いですね。

日本の小さな会場だと、この2人だけで人件費が突破してしまいます。

それはともかく、20分1本勝負のエド・ウィスコスキー、エディ・ギルバート、ビル・ハワードなどもっとも安い人でも、日本円に換算すると6万5340円です。

キールオーディトリアムでは、これが「最低保証」だったそうです。

ただし、これは、キールオーディトリアムが「高額のギャラ」であり、カンザスや、テネシーのニック・グラス傘下などに比べると「3日分のギャラ」と書かれています。

ということは、安いところでは21780円ということになります。

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日本人レスラーを漠然と比較する


では、日本はどうであったかというと、書物で明らかにされているところでは、1972年の全日本プロレス旗揚げ時に、ジャイアント馬場が13万円、サンダー杉山が7万円と、サンダー杉山の書籍で明らかにされています。

それはあまり参考にならないかもしれませんね。

1980年春に、肥後宗典というレスラーが不祥事が原因で退団しているのですが、当時の週刊誌には、年収が450万と全日本プロレスが答えていました。

年間の興行数が150試合ぐらいでしたから、1試合にすると3万円ぐらいではないでしょうか。

肥後宗典は20分1本勝負が多く、その意味では、キールオーディトリアムの「最低保証」の約半分、カンザスや、テネシーのニック・グラス傘下などの1.5倍ということになります。

これだけですと、どちらがいいかは一概にいえません。

ただし、日本人選手は当時は団体所属が原則ですから、年間興行数のギャラは保証され、巡業の交通費や宿代も会社持ち。また地元のプロモーターやスポンサーに、巡業先で食事を振る舞われることもあります。

さらに、阿修羅原が年金生活であることを明かしたインタビューによると、当時はレスラーも「社保完」だったようです。

ということは、事実上、450万は「給与所得」に等しいわけです。

ハーリー・レイスやリック・フレアークラスになれば、それだけ稼げるのでしょうが、誰でもなれるわけではありません。

全日本プロレスは外人天国と言いながら、メインイベンターではない日本人選手にとっては必ずしも劣悪な待遇というわけではなかったのでは? というのが記事を読んだ感想です。

もっとも、それは飽くまでも当時の所属選手の話で、今はわかりません。

日本プロレス事件史 vol.18 会場・戦場・血闘場 (B・B MOOK 1284 週刊プロレススペシャル)

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  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
  • 発売日: 2016/02/17
  • メディア: ムック

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