UN選手権

『日本プロレス事件史16』(ベースボール・マガジン社)が、相変わらず昭和プロレスマニアにはたまらない内容です。今月のトップ記事は、UN選手権の誕生について。その他、インターナショナル選手権、北米タッグ選手権、WWWFジュニアヘビー級選手権なども振り返り、ボブ・バックランドがNWA王者候補から外れWWWF王者になった経緯、そして、ジャイアント馬場対クラッシャー・リソワスキーのインター選手権2連戦、さらにキラー・カール・コックスのインタビューなども掲載されています。



UN選手権がトップ記事になっているのは、著者の流智美氏の意向によるもののようです。

三冠選手権の一つであるユナイテッドナショナル選手権。

歴代王者がその中で腰に巻くのは、たいていは、インターナショナル選手権です。

※武藤敬司のようにベルトを体中に全部巻く例外は除く(笑)

なぜなら、インターナショナル選手権は、日本プロレスの隆盛を支えてきたから。

しかし、流智美氏は、UN選手権は、アントニオ猪木のためにでっち上げたタイトルではなく、もともと海外で誕生し、存在していた、国際的な由緒のあるタイトルだから、自分なら、UN選手権が一番だ、という意見です。

記事では、UN選手権の歴代チャンピオン、アントニオ猪木の挑戦決定からタイトル奪取までが書かれています。

ただ、過去のいきさつがどうあれ、ベルトは、所持者がその価値を高めるものです。

UN選手権は、国内ではナンバー2のためのタイトルという位置づけだった以上、インターナショナル選手権を最上位に置く歴代王者の判断は私は誤りではないと思います。

日本プロレスが崩壊した時、インターとアジアシングル・タッグは、後に日本プロレス代表・長谷川淳三によって全日本プロレスのリングで復活しました。

が、海外からやってきたインタータッグは、エリック、クラップ組によって流出。
(後にファンクスが所持者になった時点で、全日本のものになったのだと思いますが)

いずれにしても、ジャイアント馬場は海外まで取り返しに行きました。

UN選手権は、やはり海外には流出せず、全日本プロレスで復活王座決定戦が行われました。

その意味では、たとえ海外で誕生しようが、少なくとも日本プロレス崩壊時は、UN選手権は「日本プロレスのタイトル」だったのではないかと思います。

スポンサードリンク↓

一方、同誌では、そのインターナショナル選手権の誕生の経緯についても書かれています。

ルーテーズが、NWA世界タイトルを失った後、自由に王者としてサーキットしたいからと名乗ったのがインターナショナル選手権。

ただし、1958年に力道山がルーテーズに勝った時、そのタイトルが賭けられていたかどうかは曖昧だとされています。

げんに、力道山はベルトを持ち帰っておらず、国内の業者に作らせたそうです。

それが、日本プロレス史を支えてきたインターナショナル選手権の始まりです。

その後、ルーテーズはNWA世界チャンピオンになってしまったため、インターナショナルチャンピオンを名乗らなくなってしまったことが日本のリングでは幸いしたといいます。

プロレスのタイトルの曖昧さを象徴するような誕生だったわけです。

しかし、当時のフイルムを見ると、力道山はリングアナに、インターナショナルどころか、「世界選手権保持者」と紹介されていますね。

プロレスマスコミは、そのへんに全くツッコミを入れなかったのです。

当時のプロレスマスコミは、力道山絶対の「大本営発表」だったんですね。

その後、力道山は亡くなり、インター選手権は百田家に寄贈したはずですが、2年後に復活して、ジャイアント馬場がチャンピオンに。

しかし、ベルトは力道山のものとは別のもので、ライセンス料をケチった日本プロレス幹部は、NWAではなく、WWAに認定してもらった、とあの門茂男氏の本には書かれています。

たしかに、当時のビデオを耳を澄ませて聞くと、コミッショナー代読の宣言文では、「JWC(日本プロレス)とWWAが認定した」と言っています。

その後、WWAは崩壊し、日本プロレスもNWAに加盟しますが、NWAは、世界ヘビー級選手権以外は各プロモーター任せですから、インターナショナル選手権は実質「ジャパニーズ・インターナショナル選手権」に。

清水一郎アナも実況で、「ニッポンのチャンピオン、世界を狙うジャイアントゥ馬場」と言っています(1970年暮れにロスで行われたジン・キニスキー戦で)

それに比べると、カナダ、アメリカ、メキシコなどの王者であるUN選手権のほうが本来権威があるのだ、という話です。

UN選手権のことだけで、もう1800字を超えてしまいました。

他のことはまた別記事として後日書きます。

日本プロレス事件史 vol.16 王者の宿命 (B・B MOOK 1265)

日本プロレス事件史 vol.16 王者の宿命 (B・B MOOK 1265)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: ベースボールマガジン社
  • 発売日: 2015/12/17
  • メディア: ムック

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger... ↓スポンサードリンク

 タグ